ふみふみ(もみもみ)は、猫が前足で毛布や人の体を交互に押すしぐさのこと。英語では「kneading(こねる)」と呼ばれる。子猫が母乳を飲むときに母猫のおなかを押す動きの名残、というのが定番の説明で、安心しているときや眠いときに出やすい。
基本データ
| 項目 |
内容 |
| 呼び名 |
ふみふみ、もみもみ、kneading |
| 動き |
前足を交互に押し出す。のどを鳴らしながらする子も多い |
| 出やすい場面 |
寝る前・起きたとき、飼い主が横になったとき、甘えたいとき |
| 出やすい場所 |
毛布、クッション、人のおなかやひざなど、やわらかい物の上 |
| いちばん有力な理由 |
子猫期の授乳の動きの名残 |
しくみ
授乳の動きの名残
子猫は母乳を飲むとき、前足で母猫のおなかを押して、母乳が出やすくなるように刺激する。ふみふみはこの動きの名残だと考えられていて、今回見た獣医師の解説はどれもこの説明を最初に挙げている。PetMDの解説では、ふみふみは子猫のうちから早くに始まるとされる。
ペット&ファミリー損保の獣医師監修記事では、心地よい環境で満たされたとき、子猫のころの記憶がよみがえって足が自然に動いてしまう、と説明されている。のどを鳴らしながらふみふみする子が多いのも、この説明と合う(猫のゴロゴロ)。
においづけ
猫の肉球のあいだには、においを出す腺がある。PetMDの解説では、ふみふみで自分のにおいをつけて「ここは自分の場所」としている可能性が挙げられている。
寝床づくり・ストレッチ
同じ解説では、野生のネコ科の動物が休む前にやわらかい草などを踏みならす行動の名残という説や、前足や肩の筋肉を伸ばしているという見方も紹介されている。
どれかひとつが正解というより、いくつかの理由が重なっていると考えるのが自然だ。人のひざの上なら、甘え・においづけ・寝床づくりが同時に起きているのかもしれない。
| 説 |
中身 |
根拠の目安 |
| 授乳の名残 |
子猫が母乳を出すための動き |
多くの獣医師解説で一致 |
| においづけ |
肉球の腺でにおいをつける |
獣医師解説で紹介 |
| 寝床づくり |
休む前に踏みならす |
説として紹介 |
| ストレッチ |
前足や肩を伸ばす |
説として紹介 |
研究とデータ
ねこのきもちが2025年4月に飼い主365人に聞いた調査では、「愛猫が自分の体にふみふみする」と答えた人は約65%だった。多いが、全員ではない。飼い主が挙げた場面は、夜寝る前、起きたとき、飼い主が横になったとき、甘えたいときやさびしいとき、寒い日、ふわふわした素材の上などだった。
猫種・年齢・性別による違い
- 年齢:子猫のうちから始まり、大人になっても続く子が多い
- する子・しない子:ペット&ファミリー損保の記事では、自立心の強い猫など、ふみふみをしない猫もいるとしている。しないのも個性のうちだ
- 猫種:ふみふみそのものの猫種差を調べた研究は、今回調べた範囲では見つからなかった。ただ、ふみふみと一緒に見られることのある「毛布などを吸う・かむ」行動(ウールサッキング)については、シャムとバーマン204匹を調べた2015年の研究があり、オリエンタル系の猫種で起きやすいとされている。この研究では、バーマンでは早い離乳や少ない同腹数、シャムでは病気があることがリスクと関係していた
よくある誤解
- 「赤ちゃん返り」:子猫期の動きの名残という意味では当たっているが、病的なものではない。「安心モードに入った」くらいに考えるのがよい
- 「早く親から離された子がよくやる」:ふみふみについては、今回調べた範囲ではっきりした裏づけは確認できなかった(上のウールサッキングの研究は、バーマンに限った結果)
飼い主向けメモ
- 爪が痛いときは、爪を切っておくか、ひざに厚めのブランケットをかける。ふみふみ自体を叱ったり、たたいたりはしない
- ふみふみしながら毛布を吸ったり、かんだりする子もいる。布を飲み込むと危ないので、ほつれた毛布や引っ張れる布はこまめにチェックする
- 布を食べてしまう、吸う時間がとても長い、というときは動物病院に相談する
- ふみふみが始まったら、しばらくそのままにしてあげるのがいちばん
関連項目
ふみふみ派も、しない派も、それぞれの甘え方がある。猫好きは結局、どの表現にも弱い。
出典・参考資料
※性格や体の特徴には個体差があります。健康について気になるときは、動物病院に相談してください。