習性事典猫の種類は何種類?登録団体ごとの公認数とミックスの割合
2026年10月30日・ネコキチ編集部
猫の種類(猫種・品種)がいくつあるかは、どの登録団体で数えるかで変わる。アメリカのCFAは45種、同じくアメリカのTICAは73種、ヨーロッパのFIFeは本認定48種と暫定2種が目安だ。どの猫種も、生き物としては同じ1種のイエネコ。人が見た目や性格の特徴をそろえて登録したのが「猫種」で、多くはこの150年ほどのあいだに作られた。
基本データ
| 項目 |
内容 |
| 生物の種 |
イエネコという1種。猫種はその中の品種 |
| CFA(アメリカ、1906年設立) |
45種(2022年時点。チャンピオン部門42+それ以外の部門3) |
| TICA(アメリカ、1979年設立) |
73種(2024年時点、チャンピオン部門) |
| FIFe(ヨーロッパ) |
本認定48+暫定2(2026年10月時点の一覧。長毛と短毛を別に数える種がある) |
| 猫種の成り立ち |
多くはこの150年ほど。主にヨーロッパとアメリカ |
| 日本の飼い猫 |
ミックス(雑種)が75.1%(2023年の調査) |
| ネコキチの猫種図鑑 |
38種+ミックス(雑種) |
しくみ
「猫種」は登録団体が決める
猫種は、生物学で決まる区分ではない。猫の登録団体が、体の形・毛の長さ・毛色・顔立ちなどの基準(スタンダード)を作り、その基準に沿って血統を記録する。だから同じ猫でも、ある団体では独立した猫種、別の団体では毛の長さ違いのひとつ、ということが起きる。たとえば FIFe は、アメリカンカールやラパーマを長毛と短毛で別々に登録している。
新しい猫種はどう認められるか
CFAでは、新しい猫種はまず登録を認められ、そのあと「ミセレイニアス」「プロビジョナル」「チャンピオンシップ」と段階を上がっていく。進むには、ブリーダーと猫の数が十分にいることなどが求められ、登録されても上の段階に進めるとは限らないとしている。FIFe にも「暫定認定」の枠があり、2026年10月時点の一覧ではボンベイとライコイがここに入っている。団体ごとに審査が別なので、公認数がそろわない。
猫種のもとは、その土地の猫
猫種の多くは、もともとその地域に暮らしていた猫から作られた。2008年の遺伝子研究では、ほとんどの猫種が「原産地」とされる地域の猫と近い関係にあった。一方で、ペルシャとジャパニーズボブテイルは、この研究の試料ではヨーロッパ・アメリカの猫に近かった。品種改良の途中で、ほかの地域の猫と交わったと考えられている。
イエネコのはじまり
2007年に979匹の猫を調べた研究では、イエネコは中東のリビアヤマネコから家畜化されたとされた。時期は農業が始まった約1万年前ごろと考えられている。家畜化を示す最も古い考古学の証拠は、キプロス島の約9,500年前のものだ。猫種どうしの違いは、この長い歴史のうちのごく最近に生まれたものだ。
研究とデータ
- Lipinskiら(2008年、Genomics):22の猫種と、世界各地の血統のない猫の集団を合わせて1,100匹以上の遺伝子を調べた。当時CFAが公認していた41種のうち16種は、品種づくりが盛んになる前からあった「自然発生の猫種」とされている
- 多くの猫種は、この150年ほどのあいだに、主にヨーロッパとアメリカで作られた
- 最近作られた3つの猫種は、元になった猫種と遺伝的にはっきり分かれていなかった
- 純血を保つ繁殖では遺伝的な多様性が減る傾向があった。ただ、その減り方は猫種の人気や古さとは関係がなかった
- Driscollら(2007年、Science):イエネコ979匹とヤマネコの仲間を比べ、イエネコは中東のヤマネコに最も近いと示した。少なくとも5つの母系の祖先がいたとされる
- 日本の飼い猫(令和5年 全国犬猫飼育実態調査):2023年9〜10月、全国の20〜79歳の1,347人の回答で、猫の種類のランキングの1位は雑種で75.1%。2位以下の純血種は、どれも5%に届かなかった
猫種・年齢・性別による違い
公認数の違いは、猫そのものの違いではなく団体の決め方の違いだ。たとえば長毛と短毛を同じ猫種として扱うか、別の猫種にするかで数が変わる。毛の長さや毛色の遺伝は猫の毛色と模様の呼び名や猫の毛の長さ・抜け毛は猫種でどう違う?で、体の大きさの幅は猫の大きさ・体重は猫種でどう違う?でまとめている。
よくある誤解
- 「猫の種類は世界で決まった数がある」:世界共通の公式な数はない。団体ごとに45〜73種ほどと幅がある
- 「純血種とミックスは別の生き物」:どちらも同じイエネコ。猫種は人が決めた登録上の区分だ
- 「ミックスには特徴がない」:ミックスは毛色も体つきも性格もさまざまで、1匹ずつ個性がある。FIFe には血統のない猫(ハウスキャット)向けの基準もある
- 「猫種を見れば性格がわかる」:猫種ごとの傾向はよく言われるし、研究でも見つかっている。でも同じ猫種の中の差も大きい。くわしくは猫の性格は猫種や毛色で決まる?へ
飼い主向けメモ
- 猫種の名前は、登録団体によって含まれる範囲が違うことがある。血統書を見るときは発行団体も確かめる
- 日本の飼い猫は、ミックス(雑種)が4匹に3匹ほど。保護猫の譲渡で出会う子も多い
- どの猫種かわからなくても、健康のケアの基本は同じ。体型は体型チェック、年齢は猫の年齢換算で目安がわかる
- 猫好きは、結局ぜんぶの猫が好き。猫種名は、その猫を知るための入り口のひとつだ
関連項目
出典・参考資料
※性格や体の特徴には個体差があります。健康について気になるときは、動物病院に相談してください。