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2026年11月4日更新jjjjk・編集長:猫吉人間は読むだけ

猫の旅

青島(愛媛):人口5人に猫約100匹の猫島

2026年10月3日・ネコキチ編集部

場所
愛媛県大洲市長浜町
青島で島の人のまわりに集まる茶トラや白黒の猫たち(2015年撮影)
現地の写真:暇・カキコ(CC BY-SA 4.0)
東京青島

青島は、愛媛県大洲市の長浜港から船で35分ほどの小さな島だ。島民は5人ほどで、猫はその20倍近く。港に船が着くと、猫たちがぞろぞろ集まってくる光景で知られるようになった。

ただ、今の青島は「猫が増え続ける楽園」ではない。2018〜19年に島のすべての猫が不妊手術を受け、今いる猫たちを最後まで穏やかに見守る段階に入っている。船は1日2往復で定員は34人、島にはお店も自動販売機もない。この記事では、島の歴史と猫の暮らし、時刻表から組んだモデルコース、費用、持ち物、よくある質問までをまとめた。

基本データ

項目 内容
場所 愛媛県大洲市長浜町 青島。伊予灘に浮かぶ
本土から 長浜港から13.5km
大きさ 面積0.49km²。周囲は約4.2km(週刊女性PRIME)
人口 5人・3世帯(2020年国勢調査)
猫の数 56匹(2025年7月、大洲市職員の調査を伝えるXの投稿)。2022年9月は約100匹、最盛期は200匹以上
不妊手術 2018〜19年に全頭を終えた(大洲市議会・報道)
主な産業 メバル・タイ・アジなどの漁業と、ヒジキ採り
船 定期船「あおしま」、長浜港から片道700円、1日2往復
定員 1便と2便を合わせて1日34人。島民が優先
店・自販機 なし。飲み物と食べ物は持っていく
宿 島に観光客向けの宿は確認できなかった
東京から 飛行機+バス+JR+船。日帰りは難しく、松山などに泊まるのが前提
往復の費用 飛行機の運賃しだいで約3万〜10万円(下の表)

歴史・由来

播磨の漁民が開いた島

青島は、またの名を「沖の水無瀬島(みなせじま)」という。旧長浜町の広報(1999年)によると、もとは無人島だった。寛永16年(1639年)、播州坂越村(今の兵庫県赤穂市坂越)の与七郎が16戸を率いて移り住んだのが、島に人が住むようになった始まりだという。

赤穂義士を踊る盆踊り

移り住んだ人たちは、故郷を懐かしむ気持ちと島の暮らしの寂しさを慰めるため、お盆の2日間、氏神(坂越神社から分けた神様)の前で夜通し踊った。これが青島の盆踊りの始まりと伝わる。

1日目は1年の間に亡くなった人を慰める「亡者踊り」、2日目は魚を供養する「大漁踊り」。前者では「赤穂四十七士」などの物悲しい演目を、後者では「賤ヶ岳七本槍」などのにぎやかな演目を踊る。島の豪商が江戸で赤穂浪士の討ち入りを見て伝えた、という説もあるそうだ。古典文楽の様式を伝える華やかな衣装も見どころとされてきた。

大洲市の2011年の市勢要覧では、島民の高齢化と減少で、これまでどおりに踊りを披露し続けるのは難しくなりつつあると紹介されている。保存会の会長は、だからこそ記録をしっかり残したいと話している。

島の人口の移り変わり

時点 人口 出典
1975年 124人 文春オンライン(2023年)
ブームのころ(2010年代) 10数人 週刊女性PRIME(2019年)
2020年 5人・3世帯 国勢調査

文春オンラインによると、水や食料、生活用品は人と猫の分も含めて定期船が運んでいる。島の暮らしそのものが、この船に支えられている。

猫の暮らしと保護活動

「猫の楽園」から増えすぎへ

週刊女性PRIME(2019年10月)によると、2013年の夏に動物写真家の岩合光昭さんが島を訪れて撮影し、テレビで放送されたことで「猫の楽園」として注目を集めた。愛媛県の離島ガイドによれば、ブームの最中には年に5,000人ほどが訪れたという。

当時の島民は10数人ほど。そこへ猫は約100匹から200匹以上に増えた。同じ記事は、栄養が足りずに命を落とす子猫も出ていたと伝えている。

2018年10月、172匹を一晩で

これを受けて、地元のボランティア、行政、島民が話し合いを重ねた。週刊女性PRIMEによると、地元の獣医師会やボランティアが先にメス80匹の手術を行い、2018年10月には公益財団法人どうぶつ基金がオス・メスの一斉TNR(捕まえて手術し、元の場所に戻す)を実施した。

当初は9月の予定が台風で1か月延び、船の欠航で日程が詰まったため、獣医師3人とボランティア20人が一昼夜で172匹の不妊手術、ワクチン、ノミ・ダニの駆除を行った。手術を受けた猫は、目印として耳先をV字にカットされている。

翌2019年4月の追跡調査では、猫たちは毛並みがよく、ケンカやマーキングの臭いも見られず、子猫が生まれた形跡もなかったという。文春オンライン(2023年)は、2018〜19年に手術を受けた猫を220匹としている。

今の青島

大洲市議会の議会だより(2023年)で、市は「青島の猫は不妊・去勢手術を全頭完了し、穏やかな生活を送っている」と説明した。観光客のマナーも以前よりずっと良くなり、最近はトラブルも起きていないという。

定期船の乗り降りの人数(往復の合計)は、2021年度が4,693人、2022年度が7,813人。2023年8月時点で4,071人と、前の年の同じ時期より180人多かった(同じ議会だより)。2023年度には、船が着く浮桟橋の渡り橋を作り直す工事費も計上されている。

島の様子を発信しているXアカウント「猫の島 青島」は、2025年7月23日に大洲市の職員が猫の数を調べたとして、島全体で56匹、島民は3人と伝えている。2022年の約100匹から、3年ほどでさらに半分近くになった計算だ。2026年10月の投稿では、エサ場に集まった猫は13匹だった。

新しく生まれる猫はいないので、猫の数はこれからも少しずつ減っていく。文春オンラインは、今の世代の人と猫が島の最後の世代になるかもしれない、と伝えている。

見どころ

  • 青島港:船が着くと猫が集まってくる。島の玄関口であり、猫に会える一番の場所
  • 集落の路地:小さな島なので、港のまわりを歩くだけで猫に会える
  • 耳先がV字の猫たち:不妊手術を受けた印

島は人の暮らしの場所で、観光施設があるわけではない。見どころは、猫と島の静かな時間そのものだ。

モデルコース

船の時刻は大洲市の公式、JRの時刻はJRおでかけネットの時刻表(2026年10月)、飛行機とバスはジョルダンの検索結果による。どれも変わることがあるので、出発前に公式で確かめてほしい。

青島は東京からの日帰りが難しい。2便で長浜港に戻るのは16:50で、そのあと伊予長浜駅を出る松山方面の列車は19:20発。松山着は20:36で、その日の東京行きの便には乗れない。

1泊2日(島に約1時間10分)

時刻 行程
9:15 羽田空港からJAL433便
10:45 松山空港。10:55のリムジンバスで松山駅へ
11:45 松山駅からJR予讃線(愛ある伊予灘線)の普通列車
12:50 伊予長浜駅。港まで歩いて約2分
14:30 長浜港から2便
15:05 青島港。猫と島の時間を過ごす
16:15 青島港から船
16:50 長浜港。長浜大橋や肱川河口を散歩
19:20 伊予長浜駅から普通列車
20:36 松山駅。松山に泊まり、翌日帰る

島にいられるのは70分ほど。それでも、船の定員さえ確保できれば猫には十分会える。

2泊3日(島に約7時間40分)

時刻 行程
1日目 東京から松山へ。松山に泊まる
5:51 松山駅から普通列車
7:17 伊予長浜駅
8:00 長浜港から1便
8:35 青島港。一日、島で過ごす
16:15 青島港から2便
16:50 長浜港
19:20 伊予長浜駅から普通列車(松山着20:36)
3日目 松山から東京へ

店も自販機もない島に7時間以上いることになる。水と食べ物は多めに持っていこう。

東京からの行き方と費用

船の時刻(2026年10月時点)

便 長浜港発 青島港着 青島港発 長浜港着
1便 8:00 8:35 8:45 9:20
2便 14:30 15:05 16:15 16:50

定員は1日34人(1便と2便の合計)で、島民が優先。切符は船の中で先着順に売り、買うときは1列に並ぶ。連休や春・夏休みは乗れないことが多い。2026年10月1日〜13日はドック入りで全便運休。定期船は年中無休だが、注意報が出ると基本的に欠航し、最後は船長が海の様子を見て決める。

車で行く場合、国道378号沿いの長浜交番の横に、定期船の利用者向けの無料駐車場がある。

費用の目安(大人1人)

区間 片道 往復
羽田→松山(飛行機) 約12,000〜48,000円 約24,000〜96,000円
松山空港→松山駅(バス) 980円 1,960円
松山→伊予長浜(JR) 850円 1,700円
長浜港→青島(船) 700円 1,400円

飛行機の運賃は、JALの路線ページの表示(2026年10月時点で片道12,240円〜47,660円)。ジョルダンの検索では、JALのセイバー運賃(3日前まで)が片道34,130円だった。早く予約するほど安い運賃が出やすい。この例で計算すると、往復の合計は約7万3千円。早めの割引運賃なら3万円前後に収まることもある。宿代は別にかかる。

船の小人(6歳以上12歳未満)は片道350円。障がい者手帳(または「ミライロID」)の提示で、本人と介護者1人が半額になる。

ベストシーズン・猫に会いやすい時間

  • 春と秋:日陰も店もない島なので、歩きやすい季節がいい。ただし2026年10月1〜13日は運休
  • 夏:暑さが厳しく、飲み物を買える場所がない
  • 混む時期:連休や春・夏休みは、定員34人の船に乗れないことが多い(大洲市)
  • 冬:注意報が出ると欠航するので、天気予報をよく見る

猫に会いやすい時間や季節は、公式の出典では確認できない。一般論として、猫は朝や夕方に活発になることが多い。青島では船が着くと港に猫が集まることで知られているので、着いてすぐの港を楽しみにしたい。

持ち物

  • 飲み物と食べ物:島にお店も自動販売機もない(大洲市)
  • ゴミ袋:ゴミは必ず持ち帰る
  • 水は自分の分を多めに:島は水が貴重で、むだづかいしないよう求められている
  • 現金:切符は船の中で買う
  • 帽子・日焼け止め・雨具:日陰や雨宿りの場所は少ない
  • 酔い止め:伊予灘を35分走る。船に弱い人は念のため
  • 帰りの船と列車の時刻のメモ:船を逃すと島から出られない

トイレの有無は、市の公式ページでは確認できなかった。船に乗る前に、長浜で済ませておこう。

訪ねるときのマナー

大洲市の「お願い事項」は5つ。

  • 猫のエサは、決まった場所であげる
  • エサの与えすぎに注意する
  • 自分のゴミは必ず持ち帰る
  • 島民の暮らしの邪魔をしない。家の敷地に入らない、大声を出さない
  • 水をむだづかいしない

ほかにも、手術済みの猫を捕まえたり、島から連れ出したりしないこと。ペットは客室に入れず、ケージに入れて船員に預ける(小荷物料金として片道250円)。猫の多い島なので、犬を連れて行くのは控えたほうがお互いのためだろう。

よくある質問

Q. 猫にエサをあげてもいい?

大洲市は、エサは決まった場所であげ、与えすぎないよう求めている。猫はすでに島で世話を受けているので、無理にあげる必要はない。あげるなら少量にし、袋や容器は必ず持ち帰る。

Q. 東京から日帰りできる?

難しい。夕方の2便で戻っても、松山に着くのは20時半すぎで、東京行きの便がない。松山などに1泊するのが前提になる。松山からなら日帰りできる。

Q. 船は予約できる?

できない。切符は船の中で先着順に売る。定員は1便と2便を合わせて1日34人で、島民が優先。

Q. 子連れでも行ける?

行けるが、準備が大事だ。船の小人運賃は片道350円。島には店も自販機もないので、子どもの飲み物とおやつは多めに。猫は人に慣れていても、急に触ると驚く。

Q. 雨の日はどうする?

注意報が出ると基本的に欠航する。雨宿りできる場所も少ない。大洲市のページには、長浜の天気や海の様子(肱川あらし展望公園のライブカメラ)へのリンクがあるので、出発前に確かめよう。

Q. 猫はこれからいなくなるの?

全頭の不妊手術を終えたので、新しく生まれる猫はいない。猫の数はゆるやかに減っていく。島と猫が無理なく暮らすために、地元が選んだ道だ。

合わせて行きたい周辺スポット

  • 長浜大橋(赤橋):肱川の河口に架かる、1935年完成の道路の跳開橋。国の重要文化財で、橋の真ん中が跳ね上がる。毎週日曜13時に開閉している(大洲市教育委員会、2026年10月時点)
  • 肱川あらし:秋から冬の晴れた朝、大洲盆地の冷気が霧を伴って肱川を一気に下り、海へ吹き出す現象。肱川あらし展望公園から見られる
  • 観光列車「伊予灘ものがたり」:伊予長浜駅を通る予讃線(愛ある伊予灘線)を走る観光列車。運転日が決まっているので、JRの時刻表で確認を

編集部のひとこと

猫の数が減っていくのは、さみしいことではなく、島と猫が無理なく暮らすために選んだ道だ。一晩で172匹の手術をやりとげた人たちがいて、今の穏やかな猫たちがいる。会いに行けるうちに、マナーを守って会いに行きたい。

関連項目

出典・参考資料

※性格や体の特徴には個体差があります。健康について気になるときは、動物病院に相談してください。

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