暮らし・健康猫の室温の目安は何度?夏のエアコンと冬の寒さ対策
2026年9月27日・ネコキチ編集部
夏はフローリングに腹を貼りつけて「液体」になり、冬はこたつから一歩も出てこない。猫は季節ごとに家の中のベストポジションを知り尽くしている。ただし、そのベストポジションが用意されていれば、の話だ。室温は猫が自分では変えられない数少ないもの。ここは人間の出番になる。
結論
多くの資料に共通する目安はこうだ。
- 夏:室温が30℃を超えないようにする。湿度も上げすぎない
- 冬:20〜25℃くらいを目安にする。子猫・高齢の猫・病気の猫はもう少し暖かめに
そして季節を問わず大事なのが、暑い場所と涼しい場所の両方を用意して、猫が自分で選べるようにすること。設定温度の「正解」は家の断熱や日当たり、猫の年齢や毛の長さで変わる。数字はあくまで目安で、最後は猫の様子で決める。
くわしく
猫は熱を逃がすのが得意ではない
環境省は、犬や猫は密な毛に覆われていて体温調節が得意ではないとして、室内でも温度と湿度の管理を呼びかけている。猫が汗をかけるのはほぼ肉球だけ。人間のように全身から汗を出して冷やすことができない。
SBIペットの獣医師監修記事では、猫が快適に過ごせるのは27〜28℃くらいで、30℃を超えると熱中症の危険が高まるとしている。気温がそれほど高くなくても、湿度が高いと危ないという点にも注意したい。
夏:危ないのは「閉め切った部屋で留守番」
日本動物愛護協会は、閉め切った室内が日中に一気に暑くなることや、体が暑さに慣れていない6月後半〜梅雨明けのころを、熱中症になりやすい条件として挙げている。同協会は、暑い時期の室温を26℃以下に保つことも勧めている。
SBIペットの記事では、5月ごろから秋口まで注意が必要とされる。つまり「真夏だけ気をつければいい」は油断だ。
熱中症に注意が必要とされる猫の例は次のとおり。
- 鼻の短い猫、長毛の猫
- 子猫と、高齢の猫
- 太り気味の猫(体型チェックで確認できる)
- 心臓・腎臓・呼吸器に持病がある猫
夏の部屋づくりは、エアコンで部屋全体の温度を下げつつ、冷えすぎたときに逃げられる場所も残しておくのが基本。水飲み場を複数つくる、直射日光の当たる窓際のケージを避ける、温湿度計は猫がいる床に近い高さに置く、あたりが定番だ。
冬:寒さのサインと、暖房器具の落とし穴
アニコム損保の記事では、健康な成猫の冬の室温は20〜25℃くらい、湿度は40〜60%くらいが目安とされている。どうぶつ病院京都 四条堀川の獣医師のコラムでは、高齢の猫や病気の猫なら22〜25℃くらいのほうが安心とされる。寒さに弱いとされるのは、子猫、高齢の猫、やせている猫、持病のある猫などだ。
寒がっているサインとして挙げられているのは、次のような様子。
- きつく丸まって、ほとんど動かない
- 暖かい場所にこもりきりになる
- 水を飲む量や、トイレの回数が減る
- 小刻みに震えている
暖房器具には落とし穴もある。電気カーペットやこたつなど、暖かいものに長時間くっついていると低温やけどになることがあるし、暖かい場所から動かずに水を飲まなくなることもある。ストーブはガードで囲み、電源コードはかじられないように隠したい。留守番中は、火を使う暖房や、猫が中にこもりきりになる器具より、エアコンやペット用ヒーター(毛布でくるむ、逃げ場をつくる)が安心とされる。
冬は水を飲む量が減りやすい。水飲み場を寒い廊下や窓際に置かない、ぬるめの水を出してみる、といった工夫も紹介されている。
室温・湿度の目安の表
資料によって数字に幅がある。どれも「目安」だ。
| 季節 |
室温の目安 |
湿度の目安 |
出典 |
| 夏 |
27〜28℃くらいが快適。30℃を超えると危険が高まる |
高すぎないように |
SBIペット(獣医師監修) |
| 夏 |
26℃以下 |
— |
日本動物愛護協会 |
| 冬 |
20〜25℃くらい |
40〜60%くらい |
アニコム損保 |
| 冬 |
20〜25℃(高齢・病気の猫は22〜25℃) |
30〜50% |
どうぶつ病院京都 四条堀川 |
数字はバラバラに見えても、言っていることは同じ。夏は30℃に近づけない、冬は冷やしすぎない、猫が自分で居場所を選べるようにする。これで8割はいける。
茶トラも三毛も黒猫も、暑いときは溶けて寒いときは丸くなる。猫の温度計は、しっぽの先まで正直だ。そもそも猫はなぜあんなに寝ているのか、は猫の睡眠の記事で。
病院に相談する目安
SBIペットの記事では、熱中症の症状を重さ別に次のように整理している。
| 段階 |
見られる様子の例 |
| 軽め |
口を開けてハアハアする、よだれ、ぐったり、心拍が速い |
| 中くらい |
吐く、下痢、震え、まっすぐ歩けない |
| 重い |
けいれん、意識がない |
- 暑い日に口を開けて呼吸していたら要注意。涼しい場所に移し、動物病院に電話して指示をもらう
- 冷やすときは、タオルで包んだ保冷剤を首やわきの下に当てる方法が紹介されている。冷やしすぎにも注意が必要とされるので、あくまで病院に着くまでのつなぎと考える
- 吐く、ふらつく、けいれん、呼びかけへの反応が鈍いときは、すぐ受診
- 冬、寒い部屋で体が冷たくぐったりしている、震えが止まらないときも早めに受診
- 冬におしっこの回数が減った・出ていない様子なら、様子見せずに相談する(特にオス。すぐ動物病院へ行くべき猫の症状も参照)
エアコンのリモコン争奪戦が起きたら、猫の意見が最優先。この家の憲法第一条だ。
出典・参考資料
※性格や体の特徴には個体差があります。健康について気になるときは、動物病院に相談してください。